Webディレクションを10年くらいやっていて、毎月オンライン会議が最低でも2回あり、クライアントに数値の報告や施策の提案をする機会が多いです。話すのが得意ではく、緊張もしやすいので、オンライン会議やプレゼンに苦手意識を持っていました。
人前で話すことへの苦手意識を克服したいのと、相手に伝わる話し方を身に着けたいと思い、話し方レッスンに通い始めました。オンライン会議やプレゼンで話すときに意識することを詳しく教えてもらい、実践しています。オンライン会議やプレゼンで緊張してうまく話せないと悩んでいる方は多いと思うので、備忘録を兼ねて共有したいと思います。
オンライン会議やプレゼンで話すときに意識する3つのこと
最低限、以下の3つを意識すれば「聞こえにくい」ということはないはず、ということです。
- 呼吸を意識(吸うだけでなく吐くほうも意識)
- 音を前に出す意識をする(声を前に向かって吐く)
- 口の中を広く開ける(上下の奥歯の間隔を空ける)
呼吸を意識(吸うだけでなく吐くほうも意識)
呼吸は、「吸う」ときには交感神経が優位になり、「吐く」ときに副交感神経が有利になるとされています。交感神経と副交感神経はともに自律神経系に作用する神経です。
呼吸は、吸う時は交感神経、吐く時は副交感神経に支配されています。
参考:健康に生きるために(11)| 栄研化学
交感神経は血圧・血糖と高めて脳や筋肉に血液を集め、体を活発化させる働きをします。ストレスを受けたときに優位になる神経で、体が興奮モードになり、体が緊張状態になります。
(参考:大辞林)
一方、副交感神経は心臓の働きの抑制、血管の拡張をし、腸の運動を強める働きをします。副交感神経が優位になると体がリラックスし、体が休むモードになり、体の緊張を和らげてくれます。
(参考:新明解国語辞典)
話を戻すと、オンライン会議やプレゼンなど人前で話すときにはストレスがかかり、どうしても交感神経が優位になってしまいます。また、緊張していると吸うほうにばかり意識がいってしまい、体が緊張状態が続きます。
「緊張すると吸う方ばかりに意識がいってしまう」というのが大きなポイントです。吸うばかりだと交感神経が優位な状態が続き、体が疲れてきてしまいます。
先生に教えてもらったのは、「疲れてきたら一度息を吐き出す」というやり方です。何回も吐く必要はなく、疲れてきたタイミングで軽く「フッ」と息を吐き出すだけでも体の緊張がほぐれます。息を吐くことで副交感神経を優位にさせ、体をリラックスさせてあげるのです、
私も経験がありますが、オンライン会議で緊張する場面では、ついつい焦って早口で話してしまうこともあり、無意識のうちに呼吸が浅くなってしまいます。最初の数分は体力ゲージが多いので乗り切れますが、だんだん疲れてきて頭も口も回らなくなり、グダグダになってしまった経験が何度かありました、、、。
「息を吐く」といっても大きく吐く必要はなく、体の中に溜まった空気を軽く吐き出すイメージです。これも先生によく言われることですが、「吐く意識」をするだけでも体はずいぶん和らぎます。緊張して疲れてきたら、「吐く意識」を思い出してください。
音を前に出す意識をする(声を前に向かって吐く)
これも私が先生によく指摘される発声方法です。音がしっかり前に飛んでいないと相手に聞こえにくいので、「音を前に出す意識」をすることが必要です。
特にオンラインカメラに向かって話すという状況は、声を前に飛ばしにくいという問題があります。広い会場で後ろの席の人まで声を届けないといけない状況化だと、声を前に飛ばす意識が生まれやすいですが、声を届ける対象との距離が近いオンライン会議では、声を前に飛ばしにくいですよね。
そこで意識したいのが、「音を前に出す」という意識をすることです。先生は「声を前に向かって吐く意識をしてみて」と教えてくれました。「声を前に飛ばす」を意識しすぎると声帯が締まって声が出にくくなるので、「息を前に吐きながら声を出す」イメージです。
声が前に飛ばず、口の周りや口の中で留まっていると、相手に声が届きにくいです。オンライン会議ではマイクが声を拾ってくれるとはいえ、声がパーンと前に飛んでいるか、内にこもっているかで相手に伝わる印象が変わります。
これもレッスンでの発声練習のときに先生によく指摘されることですが、「息を前方に向かって吐く」「声を前へ前へ出す」という意識を持つと、相手に声が届きやすいです。
口の中を広く開ける(上下の奥歯の間隔を空ける)

「口の中を広く開ける」のも声をしっかり相手に届けるポイントです。これは話し方レッスンだけでなく、ボイトレの先生にもよく指摘されます。
口の中を広く開けるといっても、口はそんなに大きく開ける必要はありません。口を開けるときは力を入れずとも重力で簡単に開くので、力をいれなくても大丈夫です。「上下の奥歯の間隔を空ける」というイメージで口を開けると、自然と口の中の空間が広がり、声が前に飛びやすくなります。
ボイトレで発声するときは口の中の空間を大きく広げる意識をしますが、話すときはそこまで大きく広げなくても大丈夫です。ただし、口の中の空間が狭くなると声が前に飛びにくくなるので、上下の奥歯の間隔を空けて少し口の中の空間を広くしてあげるといいですよ。
オンライン会議の後半に口が回らなくなるときの対処法
これも何度も経験があるのですが、オンライン会議の後半になると口が回らなくなり、どんどん滑舌が悪くなっていってしまうんですよね、、、
先生に相談してみると、オンライン会議は自分の声が相手に聞こえてるか不安なので、いつもより余計に力が入るのは仕方がないとのことです。オンライン会議では自分の声の返しがないので、自分の音声がちゃんと出ているか、相手に聞こえているか都度確認できないのも不安を感じる要素ですね。
話し方講師を先生でもオンラインだといつもより力が入ってしまうそうなのですが、大事なのは「できるだけ力まずに話す方法」を身につけることだと教えてくれました。
これは上述したように、「息を吐く意識をする」のがひとつの方法です。オンライン会議の途中で意識的に息を吐くことで体がリラックスし、力みが取れていきます。
対面でプレゼンするときは、話し始める前に一回下向いて、深く息吸って力を抜いて、息を吸いながらゆっくり顔を上げると、体がリラックスした状態で始められるよ、とも教えてくれました。オンライン会議だとこの所作をするのは難しいですが、話し始める前に一度「息をふぅと吐く」と緊張が少しほぐれます。
まとめ
先生に教えてもらった3つの中で最も簡単にできるのは、「意識して息を吐く」というやり方です。オンライン会議では相手に呼気の音が聞こえないように気をつける必要がありますが、ゆっくりでも息を少し吐くと肩の余計な力が抜けていくのが感じられると思います。
緊張していると息を吐く意識を忘れてしまいやすくなるので、私は「息を吐く」と書いたメモを机の上に置いて見るようにしています。ただ、そのメモを見る余裕がないときもあるので、普段から吐く意識をして自然に体をリラックスさせることを身につけるのが一番いいかなと思います。
レッスンで明るくハキハキとした話し方を身につけよう
人前でハキハキとした話し方を身につけるなら、話し方レッスンがおすすめです。
YouTubeなどの動画サイトでも話し方のコツを学ぶことは可能です。しかし、実際に自分が話しているところを誰かに見てもらおうことはできませんから、自分のどこが悪いのかを客観的に判断するのは難しいものです。
話し方のレッスンを受講すれば、プロの講師がマンツーマンであなたの話し方のクセや良くない部分を分析して、適切なアドバイスをしてくれるので、より確実に効率よく理想の話し方を身につけることができます。
話し方レッスンは、全国展開しているボイトレスクールの『シアーミュージックスクール』や『NAYUTAS(ナユタス)』で受講できます。ボイトレスクールなので、しっかりと発声から鍛えることができ、自信を持って話せるように指導してもらえます。