ローステッドメイプルとは
「ローステッドメイプル」は、メイプル材を200度前後の高温で加熱処理したもの。主にネック材や指板材として用いられている。「サーモウッド」の一種。
Gibsonでは「ベイクドメイプル」と呼ばれる。
指板はもちろんローズウッド…………
に見えますが実はこれ特殊な熱処理をしたメイプル指板なんです!!
ギブソンではベイクドメイプルと呼びますね。他のメーカーではサーモウッドとかローステッドメイプルとか呼ばれたりする木材です。
ベイクドメイプル指板の個体は久しぶりです。スタッフY pic.twitter.com/VLRZdUemRt
— ロッキン刈谷店 (@rockinkariyaten) February 17, 2017
高級機種で使われることの多いローステッドメイプルネックをリーズナブルな価格帯に落とし込んだBacchusの「BST-2 RSM」。
ローステッドフレイムメイプル
縞模様の入ったメイプルをロースト加工したものを「ローステッドフレイムメイプル」と呼ぶ。ローストされたフレイムメイプルはその杢目がより濃く目立つ。
フレイムメイプルについては以下の記事で解説
ローステッドメイプルの特徴
強度・安定性
加熱による乾燥で内部の水分や油分を揮発させることで、含水率が下がり「反り」や「ねじれ」が出にくい安定かつ軽量なネック材となる。フレイムやバーズアイといった「曲がりやすい」とされているフィギュアドメイプルには特に効果的で、その木目もさらに強調される。
また、加熱処理をする工程の中でねじれが発生する「ハズレ」の材もあり、そういった欠陥材を発見し排除できることで、より確実に安定した材を供給することができる。
サウンド面
ロースト加工を施すことにより、材は経年変化した状態へと近づく。そのためヴィンテージライクな枯れたサウンドになると言われる。
ルックス面
加熱によってこんがりと焼けたカラーになる。加熱時の温度など、ローストの具合はメーカーや調整次第で異なるため、程度によってその色合いも異なる。浅いロースト具合でも、塗装によって濃く見せている場合もある。
やや分かり辛いとは思いますが
画像の上側が
「ローステッド・メイプル・ネック」で
下側が
通常の「メイプル・ネック」になります。2本とも
着色は無しで
生地の素を生かした
クリア塗装(艶消し)にて仕上げてます。ローストしてる方が
色が濃いのが
お分かり頂けますでしょうか? pic.twitter.com/JNUZkCJYj9— psychederhythm (@psychede1999) April 10, 2021
Kiesel がローステッドメイプルを無償オプション化。さらに焙煎度もライト・ミディアム・ダークの3種類から選べるようになりました。またネックと指板ともにローステッドメイプルを選んだ場合は、できる限り色味を合わせるとしています。https://t.co/qnL34cSWQo pic.twitter.com/kdPzdQKtWe
— Gear_Otaku (@gear_otaku) April 25, 2020
ちなみに、高温での加熱処理とは言っても直接火で炙るようなことはなく、特殊な加熱装置の中で無酸素状態で加熱されるため、木材が燃えたり焦げてしまうというような心配はない。
ローステッドメイプルのメリット・デメリットまとめ
- 反りやねじれに強く、安定したネックになる。
- 軽量になる。
- ヴィンテージライクな枯れたサウンドに。
- こんがりと焼き目のついたルックスになる(好みの問題なのでデメリットもなり得る)
- 特別な加工のため高価になりがち。
- 乾燥しているため、衝撃には弱くなる。(割れやすい、折れやすい等)