ギター用語

ウェイト・リリーフ − Gibsonレスポールの軽量化加工

ギタコン運営者:稲垣健太
執筆者:稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター歴25年 ドラム歴10年
ヤマハ音楽教室のアコースティックギターコースに5年、ドラムコースに5年に通う。シアーミュージックのボイトレに4年、話し方コースに3年通う。2023年からESPギタークラフトアカデミーでギター製作の技術を学ぶ。2026年より同校のアシスタント講師として勤務。日々プロ視点で楽器の構造やメンテナンスに携わる。これらの知見を活かし、単なるユーザー目線ではない「技術者・指導者目線」での教室選びを提案しています。
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ウェイト・リリーフ(Weight Relief)とは

ウェイト・リリーフは、Gibsonがレスポールの軽量化のために行っている加工。ボディバックのマホガニーをくり抜くことで、外観はそのままに軽量化を実現している。

現在のGibson公式のスペック表では「Weight Relief」の項目が記載されており、この加工がされていないモデルでは「None」となっている。

ウェイト・リリーフの誕生

ギターを選ぶ際の基準は人それぞれで、多くはサウンドだったりルックスだったりするが、人によっては重量というのも大事な判断基準になってくる部分。演奏時や運搬時の負担を考えれば、当然軽いに越したことはない。

昔から「レスポール=重い」というイメージがあり、実際に4kgを越えるモデルも珍しくなく、中には5kgオーバーのものもあった。そこで1980年代のはじめ頃、レスポールの持つ厚みのあるサウンドを維持しながら重量を減らすために考えられたのがウェイト・リリーフ。

ただし、その当時Gibsonはボディをくり抜いていることを公表しておらず、実際にいつからどのモデルにそういった加工がされていたのかは、実際に中を見てみるか、X線を使って覗いてみないとわからない。公式にウェイト・リリーフとして公表されたのは2008年以降となる。

ウェイト・リリーフの種類

チャンバード

2008年に大幅に仕様変更を行ったレスポール・スタンダードで採用され、公式なスペックとして公表されたのが「Chambered(チャンバード、チェンバード)」。軽量化を重視し、ボディ全体に渡る大きな空洞を作ったチャンバード構造。その空洞が作り出すサウンドはセミホロウにも近いと言われる。

トラディショナル・ウェイト・リリーフ

丸い9つの穴が空けられていることから「9Hole Weight Relief(ナインホール・ウェイト・リリーフ)」とも呼ばれるのが「Traditional Weight Relief(トラディショナル・ウェイト・リリーフ)」。

これは、Gibsonが1980年代に行っていたとされる方法を再現したもので、ウェイト・リリーフ技術の中では最も歴史あるもの。9つの穴は雑に並んでいるようにも見えるが、低音弦側に配置することでソリッド・ギターらしさを維持する等、戦略的に配置されている。

モダン・ウェイト・リリーフ

2012年のレスポール・スタンダードのマイナーチェンジで新たに登場したのが「Modern Weight Relief(モダン・ウェイト・リリーフ)」。ボディの中心から放射状に楕円形のくり抜きが配置されている。

こちらは「チャンバード」と「トラディショナル〜」の両方の長所を組み合わせたものとされており、チャンバードほどの軽量化ではないが、より多くボディを残すことでソリッドボディのサウンド特性を残した加工となっている。

ウルトラ・モダン・ウェイト・リリーフ

2017年、モダン・ウェイト・リリーフからさらに進化した加工として登場したのが「Ultla Modern Weight Relief(ウルトラ・モダン・ウェイト・リリーフ)」。一見するとほぼ同じ形状と配置だが、より軽量、よりすぐれた共鳴特性を得るために調整されている。

ABOUT ME
タケ
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

ギター歴23年。

愛器:Gibson Les Paul Custom、Black Cloud Aging Label #022、Stilblu #100、Legator Ninja N7FX

日々、ギターのお勉強中。