今日も13人中7人の出席が少ないので講義はなし。実習のみ。
今日の実習はやることがたくさんあります。
昨日の続き、指板・バインディングのすり合わせからやっていきます。
#150のペーパーですり合わせ。
指板の裏面に凹凸があると、ネック材と接着したときに隙間ができるので、バインディングと指板面がフラットになるように磨いていきます。
ペーパーの磨き具体などをチェックをするときは、こうやって光にあてて確認します。
光をあてるとペーパーが当たっているところと当たっていないところがよくわかりますし、傷がまんべんなくついているかも確認しやすいです。
次は指板接着をするのですが、その前に指板面の平面出しをします。
平面出しをする際は、トラスロッドを逆反り方向にした状態で行います。
逆反りにし、反った部分を削り取ることで、トラスロッドをゆるめることができる、つまり順反り方向に回すことができます。
弦を張ったときに生じる反りの補正の役割もあります。
また、フレットを打つとスタッドによって外側に力がかかり、逆反っていくので、その補正の役割もあるわけです。
フレットは20数個も打つので、スタッドによってネックによってかかる反る力は大きくなります。
まずはトラスロッドを数回締めていき、トラスロッドのエンド部にある隙間をなくしていきます。
逆反り方向に締めます。
わかりづらいですが、トラスロッドのエンド部に隙間があるので、ロッドを締めることで材と密着させます。
エンド部の隙間がなくなったら、ロッドをフラットの状態に戻します。
600mmスケールをあて、フラットの状態でどれくらい反っているかを確認します。
ヘッド側に隙間があるので、少し逆反りの状態です。
ロッドをもう少し締めて、さらに逆反りさせていきます。
何mmという決まりはないのですが、だいたいこれくらい逆反りで隙間がある状態にします。
逆反りにして指板接着面が山なりになっているので、豆平鉋で平面にしていきます。
削りすぎると取り返しがつかないので、一気に削らず薄く削っていきます。
山の頂点から削っていき、全体を平面にします。
削るごとに600mmスケールでチェックします。
横だけでなく、縦も平面に削れているか150mmスケールでチェックします。
どの工程にもいえることですが、均等に削っているつもりでも、どうしても左右に偏ってしまうので、チェックして補正していきます。
豆平鉋だけで完全に平面にはできないので、このあとエコノミーサンダーで整えます。
エコノミーサンダーできれいな平面を出す技術がまだないので、今回は先生があててくれました。
指板も先生がエコノミーサンダーできれいな平面にしてくれました。
ここからは指板接着です。
ネック材に木工用ボンドを塗った指板を乗せ、その上に指板接着用の当て木をおき、Fクランプで留めます。
予行演習として、仮留めという作業をします。
仮留めをしてFクランプが何本必要かを確認。
木工用ボンドが乾く前に固定しないといけないので、途中の写真を撮る暇がなかったのですが、手順は以下になります。
1.埋木の中心からセンター出しをして罫書きする
2.三角定規を使ってセンターラインから直角になるように0フレットの罫書きをする
3.指板のヘッド側とボディ側の指板幅のセンター出しをして小口に罫書きする
4.指板裏の汚れや木くずを濡れ雑巾で拭き取り、木工用ボンドを塗る
5.指で木工用ボンドを指板裏全体にまんべんなく広げる
(木工用ボンドはネックと接着したときに少しはみ出すくらいの量)
6.指板とネックを接着し、指板をネック上で動かしてボンドをネック全体に広げる
7.1で罫書きした埋木のセンターと、3で罫描きした指板のセンターをぴったり合わせる
8.2で罫書きした0フレットの位置に指板の頭を合わせる
9.指板接着用の当て木を置き、ズレないように気をつけながら、真ん中からFクランプを留めていく
10.Fクランプを留めるときに指板の位置がズレるので、位置を直しながら全体にFクランプを留めていく
指板に罫書きしたセンターと、写真では見えないですがネックの埋木のセンターを合わせています。
ネックエンド側は埋木のセンターしか見えないですが、こちらも指板のセンターと位置を合わせています。
仮留めのときよりもFクランプがを2本増やし、しっかり固定。
この状態で一日乾燥させます。
実は0フレットの位置が少しズレてしまったので、ナットの厚みが少し薄くなってしまいます、、、
ただ、許容範囲とのことなので、その状態で完成させます。
ボンドは乾く前だとズリっと動いてしまうので、Fクランプで留めるときにズレてしまいますし、センターを合わせながら留めるのが難しかったです。
ボンドは数分で固まるので、時間との勝負という焦りから慌ててしまい、完璧にはできませんでした。
ギターは木工の段階で失敗すると全部がズレてしまうので、接着を含め、木工の技術を高めることがギターの質を高めるのだと痛感しました。