前回はネック、ヘッドの粗加工をしました。
今回はネックにトラスロッドの溝を掘ります。
前回の作業
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まずはネック材にセンターラインと0フレットを罫書き。
トラスロッド溝の幅は6mmです。
なのでセンターラインから左右3mmの位置に実線を罫書き(青色の線)します。

次に3mmの実線から外側に2mmの位置に加工線を罫書き(赤色の線)します。
実線3mm、加工線2mm、足すと加工線はセンターラインから左右5mmの位置になります。

トラスロッド溝を掘る前に、ロッドエンドとロッドアジャストの溝を掘ります。
本作はネックエンド側でロッド調整をします。
ネックエンド側にロッドアジャスト溝用の治具を貼ります。
ロッドアジャスト溝の幅は22mm。
溝の深さは14mm。


ヘッド側にロッドエンド溝を掘ります。
0フレットをまたぐ形でロッドエンドの治具を貼ります。

次はトラスロッド溝を掘ります。
トラスロッド溝はネックの7フレットが最深部になるように湾曲させるので、ロッドエンドとロッドアジャストの3mm厚のスペーサーを設置します。

トラスロッド溝掘り用の治具を固定するために、2フレット、7フレット、13フレットにビス穴を開けます。

2フレット、13フレットは長いビスで固定、7フレットは短いビスで固定。

左右均等に設置できているかスケールで確認。
この治具は内側に向けて傾斜するので、隙間はできますが、左右の隙間が均等であればOKです。
どちらかの隙間が大きい、または小さい場合はビスの締め具合で隙間の幅が同じになるように調整。

治具は左右均等に設置したものの、トリマーのビットの位置が左右どちらかにズレている場合があります。
ビットの中心とセンターラインが合うように確認します。
今回は向かって右側にトリマーを寄せると、ビットの中心とセンターラインが合うようです。
なので、右側にトリマーを寄せながら掘ることにします。

ギターのトラスロッド溝は、7フレットが最深部で、13mmの深さになるようにセッティングします。

上記のセッティングで試し掘りしてみました。
実線(青色の線)がほぼ左右均等に掘れています。

ノギスのメモリのピントがボケていますが、7フレットで深さ13mmまで惚れました。

治具を外す前に、埋め木を当てて溝の曲線を罫書きしておきます。

ロッドアジャスト溝の角が丸いとトラスロッドがしっかり溝に密着しないので、ノミで角を作ります。
ロッドエンド側も同じように角を作っておきます。

レンチパイプなどで上から押して隙間の有無を確認。
トラスロッドがカタカタ動かなければOK。

次は埋め木作りです。
治具を外す前に罫書いた曲線に沿ってバンドソーで切断。

豆平鉋だけだと削りすぎてしまうので、スクレイパーで微調整しながら幅を合わせます。

幅合わせができたら、バンドソーで5箇所ほど切れ込みを入れま(5mm残し)。
これは埋め木の底面がトラスロッドの曲線に沿ってしっかり密着させるためです。

埋め木を接着する前に、ネックエンドにロッドアジャスト用の穴を開けておきます。
ビットはΦ10.5。


では埋め木接着をします。
埋め木の左右に木工用ボンドを塗布。
底面は木工用ボンドを塗りません。
玄能で叩いてしっかり埋め込みます。

Fクランプで固定。
ネックエンド部分のFクランプにのみ当て木をしておきます。















