自宅での練習用にRolandの電子ドラム「V-Drums」を使っています。V-Drumsで使うために電子ドラム用ヘッドホン「VMH-D1」を購入しました。「VMH-D1」はRolandが販売している電子ドラム用のヘッドホンです。実際に使ってみた使用感や良いところイマイチなところをレビューしたいと思います。
「VMH-D1」の概要
「VMH-D1」は、V-Drumsの開発元であるRolandと、アメリカのヘッドホンメーカー・V-MODAが共同開発しました。特筆すべきは電子ドラムに特化したヘッドホンである点です。電子ドラム用に開発されているため、他のメーカーの電子ドラムでも使えますが、特にV-Drumsに適した製品となっています。
公式サイトによると、「VMH-D1」には以下の特性があります。
- 幅広い周波数帯域をカバー
- リッチな倍音の表現を実現
- 音響、アンビエンスを立体的に感じられるサウンド
- Prismatic Sound Modelingテクノロジーの採用(※1)
- PureAcoustic Ambienceテクノロジーの採用(※2)
- 低反発イヤーパッド(防湿性の高い合成皮革素材を採用)
- 着脱可能な3mのロング・オーディオ・ケーブルが付属
- ヘッドホン側のプラグの確度を45°に設計
- 付属のケーブル・ホルダーでケーブルを首の後ろに取り回しできる
※1:楽器音ごとの構成要素を演奏状況や音色エディットによって変化させ、相互に作用して影響する現象をモデリングし、積み重ねることで豊かで鮮やかな表現力を実現する技術
※2:自然で臨場感のある環境を生み出す技術
参照:VMH-D1 | V-Drums Headphones
こちらが「VMH-D1」のパッケージ。大きさは横16.3cm × 高さ21.5cm × 奥行き9.3cm。

付属品
・3mオーディオケーブル
・1.5mオーディオケーブル
・ケーブル・レスト
・ヘッドホンハンガー
・変換プラグ
「VMH-D1」のレビュー
ケーブルは着脱式になっていて、右側のハウジングの下部にジャックがあります。プラグは45度の確度が付いています。これは良いですね。プラグが真っ直ぐだと肩にケーブルが乗っかって邪魔になりますが、このブラグの形状なら背中側にケーブルを逃すことができるので邪魔になりにくいです。
こちらはケーブルレスト。本体に挿したケーブルが演奏中に邪魔にならないように、首の後ろに取り回しておくためのアイテムです。
まずケーブルを細長いパーツの中に通します。柔らかいシリコンなので簡単に通ります。
2つのアタッチメントにはRとLが書かれています。それぞれを右と左のスライダーに固定します。
少しごちゃごちゃしていてわかりにくいですが、この状態でケーブルレストを首の後ろに取り回すことで、演奏中にケーブルが邪魔にならなくなります。ケーブルが首周りでブラブラしなくなるので、これも良いですね。
「VMH-D1」の良いところ
使ってみて感じたのは、電子ドラム、特にV-Drums用にチューニングされているだけあって、叩いていて気持ちが良い音が出る点です。特にスネアの音は、一般的なヘッドホンでモニタリングするよりも耳障りが良く、オープンリムで叩いてもキンキンする感じが少ないので、叩いていて気持ち良いと感じました。ロールなどの細かいニュアンスにも応じてくれるので、スネアは「VMH-D1」でモニタリングするのがベストだと感じます。
バスドラも低音がしっかり出ますし、低音がボヤけないのも「VMH-D1」の良いところです。低音がボヤけた音だと迫力がなくなりますが、「VMH-D1」は低音の輪郭がはっきりしているのでバスドラを踏んだときの心地よさを感じられます。
低音がボヤけないのもそうですが、各音の音像がくっきりしていて分離感が良く、全体のバランスが良いなと感じました。一般的なヘッドホンだとどこかしらの音に物足りなさや出過ぎ感が生じますが、「VMH-D1」はV-Drums用だけあってスネア、バスドラ、タム、シンバルのバランスが良く取れています。
「VMH-D1」は密閉型のヘッドホンなので、生音が聴こえにくいのも良いところです。V-Drumsのシンバル類はゴム製なので、どうしても生音が大きくなってしまい、ヘッドホンでモニタリングをしていても生音が聴こえて邪魔になることがあります。ヘッドホンの音量にもよりますが、あまり音量を大きくしすぎると疲れますし、耳がダメージを受けやすいので、音量を抑えつつ生音を遮断できるほうがいいですよね。
- 叩いていて気持ちが良い音が出る
- スネアの音が耳に痛くなく、気持ちよく鳴らせる
- 低音がぼやけにくい
- 細かいニュアンスが出せる
- 音像がくっきりしていて各音の分離感が良い
- 遮音性が高く生音が聴こえにくい
「VMH-D1」のイマイチなところ
イマイチなところを探してみたものの、V-Drums用として考えるとあまり不満点はありません。通常のモニタリング用のヘッドホンとして使った時に不満点が出てくるかもしれませんが、V-Drums専用で使っているので特に不便さはないですね。
強いていうならば、イヤーパッドが小さめなので、AirPodsを耳に付けた状態で装着するとかなり窮屈です。個人的に、AirPodsで音源を流しながらヘッドホンでV-Drumsをモニタリングするのが一番利便性が高いので、その点だけ不便かなと思います。装着できないことはないですが、イヤーパッド内がかなり窮屈になります。そもそもAirPodsなどのワイヤレスイヤホンと併用する設計になっていないと思うので、こちらの使い方に問題があるのですが、、、