今回はナットの溝加工をします。
↓前回作業

今回は5弦ベースなので弦の太さを考慮してナット溝の間隔を設定する必要があります。
6弦のギターであれば弦の太さは無視し、溝を等間隔で取ります。
しかし、5弦ベースや8弦や7弦などの多弦ギターの場合、溝を等間隔で取ると、弦が太い低音側は弦同士の間隔が狭くなり、各弦の間隔が不均等になってしまいます。
そこで今回は、弦の太さを測ったうえで、各弦の間隔が同じになるようにします。
まずは外側の弦、5弦と1弦の位置を決めます。
ベースの場合、5弦側はナットの端から4.5mm、1弦側は3.5mmの位置を弦の中心とします。

次に各弦の太さを測り、5弦と1弦の位置を基準に各弦の間隔を罫書きします。

下記のように各弦の太さを考慮したうえで、弦同士の間隔が同じになるように罫書きをします。
ポイントは弦の中心ではなく、弦の太さを含めて間隔を同じにすることです。

弦を張って指板上の位置を確認してみます。
今回、ハイポジションの指板幅が狭く作ってしまい、5弦と1弦がギリギリになってしまいました、、、
本来なら、1弦側のハイポジションはもう少し指板サイドとの間隔が取って弦落ちを防ぎたいのですが、もう修正が難しいので、このまま仕上げます。

弦のゲージより一回り小さい幅で溝を作っていきます。
弦のゲージと同じ幅だと左右に余白ができてしまうので、一回り小さく作ってみて、弦をはめたときに狭ければ広げます。


5弦の溝に合うナットファイルがないので、丸の精密ヤスリで幅を調整します。

1弦を削り過ぎてしまったので、ナットの端材を削って一度埋めます。

ナットの弦高チェックはギターと同じで、2フレット寄りの3フレット上を押さえ、1フレット上の隙間の空き具合を見ます。
目安は名刺一枚分。

ナットの完成。
もうちょっと角を取ればキレイに仕上がったかもしれないですね。




















