ブースターとは
ブースター(booster)は、その名の通りサウンドをブーストするためのエフェクター。信号を増幅することで音量を大きくしたり、特定の音域を持ち上げることでギターの存在感を高めるために用いる。ブースターとして作られたエフェクターだけでなく、オーバードライブをブースターとして用いることも多い。
ソロの際などギターが目立つ場面で、音量を大きくしたり一歩前に出るようなサウンドに変化させる時に使われることが多い。また、他のエフェクターやアンプで作った音に「ちょい足し」するような感覚で理想のサウンドに近づける、といった使い方など、ブースターのキャラクターや使い方次第で様々なサウンドメイクに使用することができる。
ブースターの種類
ブースターと一口に言っても、それぞれに用途やキャラクターが異なる。
- ゲインブースター:アンプやエフェクターへ送る信号を増幅し、歪み量を増す。
- クリーンブースター:原音を重視し、音量を大きくする。
- トレブルブースター、ミッドブースター、ローブスター:特定の帯域を中心にブーストする。
歪み系のエフェクターは入力される信号によって歪みの量が変化するため、前に接続して信号を増幅することで、より深く太い歪みを得ることができる。この場合音量は歪み系エフェクターのレベルつまみに左右されるため、音量は大きく変化しない。
逆に後ろに接続した場合には、すでにその前で歪まされた音を増幅するため、歪みの量はほぼそのままで、音量を大きくすることができる。
ブースターの接続順
ブースターは歪み系エフェクターの直前か直後に接続することが多く、どちらに置くかによってその効果も変わってくる。
- 歪みの量を増やしたい → 歪み系エフェクターの前に接続
- 音量を大きくしたい → 歪み系エフェクターの後に接続
定番ブースター
Ibanez / TS-9
ゲインブースターの定番中の定番、Ibanezの「TS-9」。オーバードライブ・ペダルでありながら、ブースターとしての性能が高すぎて、世界中のギタリストにブースターとして広く使われている。
「TS」は「Tube Screamer(チューブスクリーマー)」の略で、その名の通り真空管アンプをスクリームさせるペダルとして作られたもの。特に中音域をブーストした温かみのあるサウンドメイクが特徴。
TUBE SCREAMERには、70年代にMaxonから発売されたモデルの復刻版「TS-808」や小型サイズの「MINI」、3つのモードを搭載した「TS9DX」などのバリエーションも存在。また、他社によって独自の改造がなされたTS-9のモディファイ製品なども数多く販売されている。
Xotic / EP-Booster
「EP」とは「エコープレックス」の略。エコープレックスはディレイ効果を得るエフェクターながら、つなぐだけで音にコシが出るプリアンプとして優秀なことで知られる。そのエコープレックスののプリアンプサウンドを再現したのがXoticの「EP-Booster」。コンパクトなボディにシンプルな1ノブで扱いやすい一台。
BOSS / Blues Driver BD-2
オーバードライブとしても定番のBOSSブルースドライバーは、ブースターとしても優秀。ゲインブーストやクリーンブースターとしても使え、特に高音成分が多めなことからトレブルブースターとしての使用も多い。
MXR / micro amp M133
プリアンプの「M133」は、クリーンブースターの定番モデル。出力の低いピックアップを補うことができるため、シングルコイルとハムバッカーを切り替える際などに便利な存在。原音の雰囲気を損なうことなくギターの美味しいところを持ち上げてくれる。