ソルダーレスケーブルとは
ソルダーレスケーブルは、はんだ付けなしで自作できるケーブル。プラグの形状はストレート型とL字型がある。
「Solder(ソルダー)」は「はんだ」、「Solderless(ソルダーレス)」は「はんだ無しの」という意味。ソルダーフリーケーブルと呼ばれることも。
ソルダーレスケーブルは、アメリカのケーブルメーカー・GEORGE L'Sによって広まった。日本ではFREE THE TONEが2012年に超小型ソルダーレスプラグ「SL-8シリーズ」を販売開始。現在ではBOSS、MONTREUX、One Control、PROVIDENCE、OYAIDE、JOYOなど、多くのメーカーからソルダーレスケーブルを販売している。
ソルダーレスケーブルの仕組み
通常のギター用のケーブル(シールド)は、以下の動画のようにはんだゴテではんだを加熱して溶かし、コネクタとケーブルの芯線を接合する。
※はんだ(半田)は、金属同士を接合する際に用いる錫(すず)と鉛の合金。プラグ内部でケーブルの芯線とプラグのチップ部が接合される構造になっている。
一方、ソルダーレスケーブルははんだ付けの作業が不要で、コネクタにシールドを差し込んでネジで止めるだけで作れる。
ソルダーレスケーブルのメリット・デメリット
- はんだ付けなしで簡単にケーブルを自作できる
- はんだ付けの工具が不要
(ニッパーとドライバーがあれば作れる) - 好きな長さのケーブルを手軽に作れる
(主にパッチケーブルの作成に便利) - ケーブルが断線しても容易に交換できる
- はんだ付けされたケーブルと比べて耐久性が低い
- 接触が甘いと音が出ないことも
FREE THE TONEのソルダーレスケーブルを作ってみた
FREE THE TONEのソルダーレスケーブル「SL-4L-NI-10K」を購入。プラグの形状はL字型、ニッケルメッキのタイプ。
- プラスドライバー
(少し小さめのドライバーが良い) - ニッパー
(通常のニッパーで十分に切断できる)
- ケーブル×1
- L字型プラグ×10
- 説明書
※ドライバー等の工具は入っていない。
説明書
説明書は公式サイトでも閲覧できる(PDF)
FREE THE TONE ソルダーレスケーブル説明書
説明書だけでは作り方がわかりづらかったので、公式の動画を参考に作成。
ソルダーレスケーブルの作成手順
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STEP1まずはプラグのカバーをドライバーで緩めて分離させる。
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STEP2次にニッパーで任意の長さに切断。断面が平行になるように、ニッパーをケーブルに対して直角に当てて切断する。
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STEP3ケーブルをプラグの奥までしっかると差し込む。差し込みが甘いと通電せず音が出ない場合も。
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STEP3L字型の場合はケーブルをL字型に曲げる
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STEP4プラグにカバーをかぶせる。
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STEP5プラグとカバーをネジで止める。
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STEP6両側のプラグを作ったら完成。初めでも1本5分くらいで作れた。
ソルダーレスケーブルを作ってみた感想
説明書だけではわかりづらいが、動画を観れば特に迷わずに作れた。初めて作ってみたが非常に簡単で、音も問題なく出た。何本か作ってエフェクターに接続してみたが、ノイズは発生していない。
エフェクターボードに合わせてパッチケーブルの長さを調整できるのは、とても良い。ボードを組み換えしたときも、ケーブルを新しく切って作れば済む。
エフェクターボードを持ち運んだり、エフェクターを踏んだりしたときに断線しないかという不安があるが、ネジでしっかり固定できるので大丈夫だと思う。
ケーブルの別売りもあるので、買い足しもしやすい。