ギター用語

ソルダーレスケーブル ‐ はんだ付けなしで自作できるケーブル

ソルダーレスケーブルとは

ソルダーレスケーブルは、はんだ付けなしで自作できるケーブル。プラグの形状はストレート型とL字型がある。

「Solder(ソルダー)」は「はんだ」、「Solderless(ソルダーレス)」は「はんだ無しの」という意味。ソルダーフリーケーブルと呼ばれることも。

ソルダーレスケーブルは、アメリカのケーブルメーカー・GEORGE L'Sによって広まった。日本ではFREE THE TONEが2012年に超小型ソルダーレスプラグ「SL-8シリーズ」を販売開始。現在ではBOSS、MONTREUX、One Control、PROVIDENCE、OYAIDE、JOYOなど、多くのメーカーからソルダーレスケーブルを販売している。

ソルダーレスケーブルGeorge L's155画像:George L's155

ソルダーレスケーブルの仕組み

通常のギター用のケーブル(シールド)は、以下の動画のようにはんだゴテではんだを加熱して溶かし、コネクタとケーブルの芯線を接合する。

※はんだ(半田)は、金属同士を接合する際に用いる錫(すず)と鉛の合金。プラグ内部でケーブルの芯線とプラグのチップ部が接合される構造になっている。

一方、ソルダーレスケーブルははんだ付けの作業が不要で、コネクタにシールドを差し込んでネジで止めるだけで作れる。

ソルダーレスケーブルの構造

ソルダーレスケーブルのメリット・デメリット

  • はんだ付けなしで簡単にケーブルを自作できる
  • はんだ付けの工具が不要
    (ニッパーとドライバーがあれば作れる)
  • 好きな長さのケーブルを手軽に作れる
    (主にパッチケーブルの作成に便利)
  • ケーブルが断線しても容易に交換できる
  • はんだ付けされたケーブルと比べて耐久性が低い
  • 接触が甘いと音が出ないことも

FREE THE TONEのソルダーレスケーブルを作ってみた

FREE THE TONEのソルダーレスケーブル「SL-4L-NI-10K」を購入。プラグの形状はL字型、ニッケルメッキのタイプ。

■ソルダーレスケーブルの自作に準備したもの

  • プラスドライバー
    (少し小さめのドライバーが良い)
  • ニッパー
    (通常のニッパーで十分に切断できる)
■同梱物

  • ケーブル×1
  • L字型プラグ×10
  • 説明書
  • ※ドライバー等の工具は入っていない。

説明書
FREE THE TONE ソルダーレスケーブル説明書
FREE THE TONE ソルダーレスケーブル説明書

説明書は公式サイトでも閲覧できる(PDF)
FREE THE TONE ソルダーレスケーブル説明書

説明書だけでは作り方がわかりづらかったので、公式の動画を参考に作成。

ソルダーレスケーブルの作成手順

  • STEP1
    まずはプラグのカバーをドライバーで緩めて分離させる。
    ソルダーレスケーブルのプラグを分解した画像
  • STEP2
    次にニッパーで任意の長さに切断。断面が平行になるように、ニッパーをケーブルに対して直角に当てて切断する。
    ソルダーレスケーブルをニッパーで切断
  • STEP3
    ケーブルをプラグの奥までしっかると差し込む。差し込みが甘いと通電せず音が出ない場合も。
    ソルダーレスケーブルをプラグに差し込む
  • STEP3
    L字型の場合はケーブルをL字型に曲げる
    L字型のソルダーレスケーブル
  • STEP4
    プラグにカバーをかぶせる。
    ソルダーレスケーブルのプラグにカバーをかぶせる
  • STEP5
    プラグとカバーをネジで止める。
    ソルダーレスケーブルをネジで止める
  • STEP6
    両側のプラグを作ったら完成。初めでも1本5分くらいで作れた。
    L字型のソルダーレスケーブル

ソルダーレスケーブルを作ってみた感想

説明書だけではわかりづらいが、動画を観れば特に迷わずに作れた。初めて作ってみたが非常に簡単で、音も問題なく出た。何本か作ってエフェクターに接続してみたが、ノイズは発生していない。

エフェクターボードに合わせてパッチケーブルの長さを調整できるのは、とても良い。ボードを組み換えしたときも、ケーブルを新しく切って作れば済む。

エフェクターボードを持ち運んだり、エフェクターを踏んだりしたときに断線しないかという不安があるが、ネジでしっかり固定できるので大丈夫だと思う。

ケーブルの別売りもあるので、買い足しもしやすい。

ABOUT ME
稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
関西外国語大学外国語で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中
└ギター製作の経験をほぼ毎日日記で更新
ギタークラフト製作日記

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder


■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

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