MOON GUITARS(ムーンギターズ)とは
MOON GUITARSは、東京都町田市に本社を置くコンポーネントギターメーカー。1978年に乳井和彦(にゅういかずひこ)氏と表克美(おもてかつみ)氏によって創設された。2020年現在の代表取締役社長は山﨑等氏。もともとの社名は社名をムーンコーポレーションであったが、1999年に株式会社ムーンギターズに社名変更している。
乳井氏と表氏はESP退職後にMOON GUITARSを立ち上げ、同時に乳井氏を代表を務めるコンポーネントギター工房のPGM(Professional Guitar Manufacture)を設立。PGMでは現在もMOON GUITARSをはじめとするギター製作を行っている。
MOON GUTARSという名前は、創設者の表克美氏のニックネーム・MOONY(ムーニー)が由来。表氏はMoony K Omote名義で1972年にBlues Guitarsというギターメーカーを創設するなど、Moonyの名前でも活動している。
コンポーネントギターの開拓
MOON GUITARSは、国産のコンポーネントギターの草分け的存在である。コンポーネントギターは、他社製のパーツを仕入れ、自社のビルダーが組み込みをし、自社ブランドで販売するギターを指す。海外だと、Suhr(サー)、Sadwsky(サドウスキー)がコンポーネントギターメーカーとして有名。
MOON GUITARSの設立当初は、アメリカのSchecter(シェクター)製のボディやパーツを使用していた。TOTOのギタリストのスティーブ・ルカサーが使用していた真っ赤なストラトは、MOONがSchecterのパーツで組み上げたコンポーネントギターである。TOTOの代表曲「Africa」のPVでは、ルカサーがMOONの赤いストラトを弾いている姿が見られる。
→Toto - Africa (Official Music Video)
80年代半ばには、Tom Anderson(トム・アンダーソン)と提携し、同社のギターの国内代理店となる。トム・アンダーソンからボディやパーツの供給を受け、MOONブランドでコンポーネント・ギターを製造・販売していた。
こちらのギターはMOON製だが、Tom Andersonのパーツを使って組み上げられている。
【USED入荷情報!】
貴重なダブルネーム
Moon Custom Guitars ST Type HSH “Tom Anderson” Bird’s-Maple Neck 1980~1990’s販売WEBはこちらhttps://t.co/EP4AVUv8Sn pic.twitter.com/5G3QaFEelT
— Brush eight (@Brusheight) October 6, 2019
MOON GUITARSのギターモデル
MOON GUITARSの代表的なギターモデルを紹介。
Raggae Master(レゲエマスター)
レゲエマスターは、1981年の発売開始以降、現在も生産され続けているMOON GUITARSを代表するモデル。形状はテレキャスに似ているが、P-90搭載(フロント・リアの2発)、ピックアップセレクターにトグルスイッチを採用、小ぶりなピックガードなど、当モデル独自のスペック・デザインを採用している。
レゲエマスターの特徴など、詳しくは以下の記事で解説。
AT-TERRY
AT-TERRYは、1982年に市場に登場したMOON GUITARSのオリジナルギター。1992年にセカンドモデルが製造された後しばらく作られていなかったが、その25年後の2017年にサードモデルとして復活した。
ファースト、セカンド、サードでいくつか仕様が変わっている。たとえば、ネックジョイントはファーストとサードはボルトオンだが、セカンドはセットネックであった。セカンドモデルのブリッジはTUNE-O-MATICであったが、サードモデルでは6連サドルを採用している。
以下の記事では、MOON GUITARSの代表取締役社長の山﨑等氏がAT-TERRYのサードモデルの変更点やこだわりを詳しく語っている。
参考:25年ぶりに復活を遂げたMOON GUITARSのフラグシップモデル【AT-TERRY】
Moon AT-TERRY 5A Quilt Maple Honey Sunburst 【最上級の材を使用しここに復活】⇨https://t.co/o8QLf34FIe#Moonguitar #guitar #ギター pic.twitter.com/DxZy8tjhg2
— MUSICLAND KEY楽器@渋谷店 (@shibuyakey) August 24, 2017
MOON GUITARSのシグネイチャーモデル
MOON GUITARSが制作した、著名なギタリスト、ベーシストのシグネイチャーモデルをいくつか紹介。
Steve Lukather(スティーブ・ルカサー)モデル
TOTOのギタリストで腕のいいスタジオミュージシャンとしても名高い、スティーブ・ルカサーのために作られた、真っ赤なボディとゴールドのピックガードが特徴的なストラトキャスター。乳井氏がルカサーのために制作し、1980年にTOTOが来日した際にルカサーに手渡された。
当時、ルカサーはレスポールをメインに使っていたが、乳井氏がルカサーのために「ツバ出し22フレット」「400R(ラジアス)」のストラトを制作。初めてこのストラトを手にしたときのルカサーは大いに喜んだそうで、すぐに愛用し始めた。
Moon/PGM Stratocaster Steve Lukather Model ムーン【WEBSHOP】/中古/¥ 198,000/状態:B+ https://t.co/V4X0SkjcAR pic.twitter.com/Il9AiLOj1l
— デジマート (@digimartnet) February 2, 2016
moon 1984年度ギターカタログ②
写真入りでSteve Lukather/TOTO、安藤まさひろ/THE SQUARE、ナルチョ(鳴瀬喜博)が2カット掲載されてることからブランディング方向性が分かる
憧れのギターメーカになるとともに、ST-M.A.238購入のきっかけにもなった pic.twitter.com/XcT0bKtRC2
— nisk_Music & Photographs (@nisk_musicphoto) August 3, 2020
乳井氏によるスティーブ・ルカサーモデルの解説。当時のことがわかる貴重なインタビュー映像。
ツバ出し22フレットの仕組みは、ルカサーのストラトが制作された当時に乳井氏が考案したもの。ツバ出し22フレットは、21フレット仕様のネックに、帽子の鍔(ツバ)のように指板のみを1フレット増設した構造になっている。
Larry Graham(ラリー・グラハム)モデル
スラップ奏法の開祖であるラリー・グラハムのトレードマークにもなっている真っ白なベース「JJ-4」。オールホワイトのボディとゴールドパーツの組み合わせが美しい、MOONを代表するベースモデル。
ラリー・グラハム!Moon JJ-300B SWH/M GO [Larry Graham Model]>>【https://t.co/3H3ZogpteN】 #TenchoBlog pic.twitter.com/7dLMGGUkxk
— イケベ楽器楽天ショップ (@ikebe_rakuten) April 29, 2016
John Mayer(ジョンメイヤー)モデル
アメリカのシンガーソングライターで、現代の世界3大ギタリストに数えられるほどのギターの腕前を持つジョン・メイヤー。2014年頃に、MOON GUITARSにストラト(ST-268LF SWH/R GO)とレゲエマスターをオーダーしている。
Order guitars of Mr.John Mayer are built up!!
ジョン・メイヤー氏よりオーダーを頂いた、ST-268LF SWH/R GO が完成致しました‼︎PGM2代目工場長入魂のギターです。
弊社スタッフの検品後お届け致しました!
【エレキギター】ジョンメイヤーがオーダーしたレゲエマスターと同じ仕様のモデル展示中です!是非、店頭でお試し下さい!https://t.co/RzGRRvojSk pic.twitter.com/djdi2K9njX
— 島村楽器 名古屋パルコ店 (@shima_nagoya) December 2, 2015