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即興演奏(インプロヴィゼーション)とは:奏者がその場で創作しながら演奏すること

即興演奏(インプロヴィゼーション)とは:奏者がその場で創作しながら演奏すること

即興演奏とは?

  • 即興演奏(そっきょうえんそう)とは、奏者がその場で創作しながら演奏すること。
  • 「スキャット(Scat)」も即興演奏のひとつ
    ジャズなどで即興的に「la-la-la…」や「da-di-da」など意味のないフレーズで歌う歌唱法。
    スキャット (Scat) とは
  • 即興演奏は次の2種類に大別される
    (1)全体的即興演奏:
    楽曲全体をその場で即興的に創作して演奏すること。
    セッションなどでは与えられた主題やコード進行をもとに即興で楽曲を作り上げていく場合が多い。
    (2)部分的即興演奏:
    既存の楽曲に対して即興的に変化を加えたり、パートを加えたり省いたりなど、部分的な即興演奏を行う。
    バロック時代の通奏低音(※1)やコンツェルトのカデンツァ(※2)が該当する。

    参考:「新音楽辞典 楽語」「新訂 標準音楽辞典 第二版

※1:通奏低音(つうそうていおん)
バロック音楽において、楽譜に記された単音の低音部の上に、即興で和音を作って演奏する方法。

※2:カデンツァ
協奏曲やオペラのアリアなどにおいて、独奏者独唱者の技巧を披露するために挿入される部分で、無伴奏で即興的に演奏・歌唱されることが多い。

即興演奏の定義

即興演奏についての定義は人によって異なるが、音楽教育学者でミシガン州立大学名誉教授のJohn Kratus氏は、論文「A developmental approach to teaching music improvisation(音楽の即興演奏を教えるための発達的なアプローチ)」において、即興演奏は以下の3つの共通点があると説明している。下記は該当箇所の要約。

  • (1)時間の経過によって音楽的なサウンドを生み出すための、目的を持ったランダムではない動きの結果である。
    …楽器で音を出す動作や、歌う際の動作などが挙げられる。これは即興演奏に限らず、全てのパフォーマンスに共通する。
  • (2)即興演奏中に作成された音楽サウンドは結果として音楽製品を形成し、遡って修正することはできない。
    …演奏者には、即興で演奏した音楽を再現したり修正したりする意図は持たない。
  • (3)すべての即興演奏では、演奏者は特定の制約内でピッチとリズムを自由に選択できる。
    …制約は、ソロ演奏者が短調で演奏することを選択するなど自ら課したものである場合もあれば、楽器固有のものによる場合もある。

↓原文を読みたい方はこちら。
参考:A Developmental Approach to Teaching Music Improvisation

即興演奏を英語でいうと?

  • 即興演奏は、英語で「improvisation(インプロヴィゼーション)」という。
    動詞の「improvise(インプロヴァイズ)」が「即興で演奏する」「即興で作る」という意味で、「Improvisation」はその名詞形。
  • 即興演奏は「extemporization(イクステンポリゼーション)」ともいう。
    動詞の「extemporize(エクステンポライズ)」が「即興で演奏する」「即興で作る」という意味で、「extemporization」はその名詞形。

アドリブとの違いは?

  • アドリブは、「奏者が自由に演奏を行う」という意味の音楽用語で、「即興で演奏する」という意味でも使われる。
  • しばしばアドリブと即興演奏(インプロヴィゼーション)は同義で使われる。
    両語の区別は見解が分かれるが、以下に違いの一例を挙げる。

 
アドリブ
既存の楽曲の一部を楽譜通りではなく、自由に変えて演奏を行うこと。テンポを変えたり装飾音を加えたりなど変化を伴った演奏のほか、一部を省略して演奏することもアドリブに含まれる。

通常は曲全体ではなく曲の一部分で行うもので、ソロ演奏(独奏パート)で行われることが多い。完全に譜面から外れた独創的な演奏の場合もあれば、譜面の一部の音を変えて演奏する場合もある。

アドリブにも「即興で演奏する」という意味が含まれるが、あくまでの曲の一部のみで、一から楽曲を即興で作り上げる場合はインプロビゼーション


インプロビゼーション(即興演奏)
即興で(その場で)楽曲を創作しながら演奏を行うこと。一から即興で演奏する場合もあれば、曲の一部分で行う場合もある。

即興演奏のセッションでは、与えられた主題(テーマ)やコード進行に沿ってメロディを即興で創作をしていくことが多い。楽曲中で部分的に即興演奏をする場合でも、声部(パート)を加えたり、挿入句(間奏部)を加えたりするなど、譜面にはない音やパートを創作して付け加える演奏を指す。

ABOUT ME
稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
大学で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中
└ギター製作の経験をほぼ毎日日記で更新
ギタークラフト製作日記

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

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Stilblu #036 / #039 /#099
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Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
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■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder


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